空き家だけを相続放棄できるか?

空き家を相続放棄したい場合、ポイントは「相続全体の放棄をする必要がある」ということです。日本の法律では、空き家だけを放棄する(選んで放棄する)ことはできません

相続では、遺産(プラスの財産・マイナスの財産すべて)を

  • 単純承認(全部引き継ぐ)
  • 相続放棄(全部引き継がない)
  • 限定承認(プラスの範囲でマイナスを引き継ぐ)

という形で選ぶ必要があります。

相続放棄の手続き(家庭裁判所)

手順内容
相続開始(被相続人の死亡)
相続放棄の準備(被相続人の戸籍・遺産の確認)
家庭裁判所に「相続放棄申述書」を提出
家庭裁判所からの照会書に回答
相続放棄が受理されると通知が届く

原則「相続を知ってから3か月以内」に手続きをする必要があります。この期間を「熟慮期間」と言います。

注意点

期限が過ぎると?

放棄ができず、自動的に相続したとみなされる可能性があります。

❗ 放棄しても他の相続人に移る

あなたが放棄した空き家は、次の順位の相続人(兄弟姉妹など)に移る可能性があり、「放棄したから空き家は無主になる」というわけではありません

❗ 固定資産税が請求され続ける可能性も

法的に放棄していないと、市町村は「相続した人」として税の通知を送り続けることがあります。