フリーランスの方は、会社員とは異なり、「開業届の提出」と「日々の経理」、そして「確定申告」すべて自分で行う必要があります。。
開業届と青色申告承認申請書
フリーランスになる際、最初に税務署へ提出する書類です。必ず提出しなければならないわけではありませんが、青色申告による節税メリットを受けるために重要となります。
- 開業届: 個人事業主として事業を開始したことを税務署に届け出るための書類です。
- 青色申告承認申請書: 青色申告による税制上の優遇措置を受けるために必要な申請書です。
- メリット:
- 最大65万円の特別控除を受けられるなど、大きな節税効果が期待できる。
- 赤字を3年間繰り越して、翌年以降の黒字と相殺できる。
- 家族への給与を必要経費にできる(青色事業専従者給与)。
日々の経理と経費計上
所得税は「収入-必要経費」で計算される所得に対してかかります。日々の経理を正確に行い、漏れなく経費を計上することで、節税につながります。
仕事に関わる支出は基本的に経費として認められます。
- 家賃・水道光熱費・・自宅を事務所にしている場合、仕事に使用した分を「家事按分」して経費にできる。
- 通信費・・・・・・・インターネット代や携帯電話代など。
- 消耗品費・・・・・・10万円未満のパソコンや文房具、書籍など。
- 交通費・・・・・・ 業務のための電車代やバス代など。
- 接待交際費・・・・・取引先との飲食費や贈答品代など。
- 外注費・・・・・・・業務の一部を外部に委託した費用。
経費にできないもの
- プライベートな支出
- 所得税、住民税、国民年金保険料、国民健康保険料
確定申告
1年間の所得を計算し、納税すべき所得税額を確定させる手続きです。
- 申告期間: 原則として、翌年の2月16日〜3月15日。
- 申告方法:
- 青色申告: 事前に申請が必要で、複式簿記での記帳が求められますが、高い節税効果があります。
- 白色申告: 事前申請は不要で、簡易な記帳で済むため手間は少ないですが、税制上のメリットは限定的です。
インボイス制度
2023年10月に開始したインボイス制度(適格請求書等保存方式)は、フリーランスの税務処理に大きな影響を与えます。
- 制度の概要:
- インボイスを発行できるのは、税務署に登録した「適格請求書発行事業者」のみです。
- 取引先が消費税の仕入税額控除を受けるには、適格請求書が必要になります。
- フリーランスへの影響:
- 課税事業者: 登録すればインボイスを発行でき、取引先の税負担を増やさずに済みます。ただし、消費税の納税義務が発生します。
- 免税事業者: 登録しない場合、インボイスを発行できないため、取引先が仕入税額控除を受けられず、仕事が減る可能性があります。
その他にかかる税金
所得税以外に、以下のような税金がかかります。
- 住民税: 前年の所得をもとに、市区町村から納税通知書が届く。
- 個人事業税: 一定以上の所得(290万円以上)がある場合、都道府県に支払う地方税。
- 消費税: 2年前の課税売上高が1,000万円を超えた場合に納税義務が生じる(インボイス登録の場合を除く)。