相続人がいない場合、その人の財産は最終的に「国のもの(国庫に帰属)」になりますが、その前に一定の手続きや段階があります。以下で、順を追ってわかりやすく説明します。
相続人がいない場合の財産の行方
【ステップ1】本当に相続人がいないか調査される
まず、以下の順に「法定相続人」がいるかどうかを調べます:
- 子・孫など(直系卑属)
- 父母・祖父母など(直系尊属)
- 兄弟姉妹・甥姪
※ 誰もいなければ、「相続人不存在」となります。
【ステップ2】家庭裁判所が「相続財産管理人」を選任
相続人がいない場合、利害関係人(債権者・内縁の妻・知人など)や検察官の申立てにより、家庭裁判所が「相続財産管理人」を選びます。この管理人が、被相続人の財産の整理や清算を行います。
相続財産管理人の主な仕事
- 被相続人の財産を調査・保全
- 債権者・受遺者(遺言による相続人など)に対して公告
- 財産から借金などを精算
- 法律上の手続きが終われば、最終的に残った財産は国庫へ帰属
遺言がある場合は?
相続人がいなくても、遺言で特定の人や団体に遺贈することは可能です。
- お世話になった友人に財産を遺したい
- 寄付したい(自治体・NPOなど)
▶ このようなケースでは、相続人がいなくても遺言に従って財産が引き継がれます。
内縁の妻や事実婚の相手は?
法律上の相続権はないため、遺言がなければ相続できません。
そのため、相手に財産を遺したい場合は、必ず遺言書を作成する必要があります。