コマーシャルで、どこかの法律事務所が、貸金業者に利息制限法に規定する利息の制限額を超える部分について過払金の返還を求める訴訟を提起することにより、過払となっている部分の金額が返還されますよと宣伝していますが、その返還金は申告する必要があるのでしょうか。
返還金については申告は不要ですが、返還までの利息は申告が必要です
利息制限法に規定する利息の制限額を超える部分について過払分として返還されるものは、申告の必要はありません。
しかし、返還金についた利息については、その支払を受けた日の属する年分の雑所得となります。給与所得者の場合、雑所得が20万円以下であれば申告の必要はありません。
事業所得者等で既に経費にしている場合、修正する必要があります
なお、事業所得者で既に支払った利息を経費としているなら、これを修正する必要があります。この場合、それが不動産所得、事業所得又は山林所得を生ずべき事業に係るものであるときには、制限超過利息の合計額(元本に充当された部分の金額及び返還を受けた部分の金額の合計額)を、判決のあった日の属する年分のこれらの所得の総収入金額に算入し、また、返還金に付された利息の額を、その支払を受けた日の属する年分の総収入金額に算入することになります。
また、制限超過利息の支払額が事業的規模に至らない不動産所得又は雑所得を生ずべき業務に係る必要経費に算入されているときには、その制限超過利息の支払額が必要経費に算入されないことになりますので、必要経費に算入した各年分の所得税について修正し、返還金に付された利息の額を、その支払を受けた日の属する年分の総収入金額に算入する必要があります。