副業収入のある方の税金対策は?

 副業の税金対策には、主に「経費を漏れなく計上する」「青色申告を利用する」「損益通算を行う」「ふるさと納税などを活用する」といった方法があります。副業の所得の種類や規模によって、適切な対策が異なります。

経費を漏れなく計上する

 副業で収入を得るためにかかった費用は、経費として計上できます。経費が多いほど所得が減り、課税対象となる金額を抑えられるため、節税につながります。 

  • 経費として認められるもの:
    • 消耗品費・・・・・ 副業で使用する文房具、インク、事務用品など。
    • 通信費・・・・・・ 副業で利用するインターネット回線やスマートフォンの料金の一部。
    • 旅費交通費・・・・ 打ち合わせや取材、イベント参加にかかる交通費。
    • 地代家賃・水道光熱費・・ 自宅を事務所として使っている場合、家賃や光熱費の一部を「家事按分」で経費にできます。
    • 減価償却費・・・ パソコンや高額な機器などは、耐用年数に応じて数年かけて経費計上する減価償却が適用されます。
  • 注意点:
    • プライベートな支出と事業用の支出は明確に区別し、領収書や請求書を保管しておくことが重要です。
    • 副業が雑所得の場合でも経費計上は可能ですが、事業所得として認められるには、帳簿書類の保存が必要となります。

青色申告で特別控除を受ける

 副業の所得が「事業所得」として認められる場合、税務署に「開業届」と「青色申告承認申請書」を提出することで青色申告ができます。 

  • メリット:
    • 最大65万円の特別控除・・・複式簿記で記帳し、電子申告を行うなどの要件を満たすと、所得から最大65万円を控除できます。
    • 赤字の繰り越し・・・ 赤字が出た場合に、その赤字を翌年以降3年間にわたって繰り越して所得から差し引くことが可能です。
  • 注意点:
    • 事業的規模であること・・・青色申告を利用するには、反復・継続的に利益を得ている「事業所得」であると認められる必要があります。
    • 手間がかかる・・・ 複式簿記での記帳が必要となるため、会計ソフトなどを活用するとよいでしょう。

損益通算を利用する

 副業の所得が「事業所得」または「不動産所得」である場合、副業が赤字になれば、本業の給与所得と相殺(損益通算)できます。これにより、全体の課税所得を減らし、所得税を抑える効果があります。 

  • 注意点:
    • 副業が「雑所得」に分類される場合は、損益通算はできません。
    • 給与所得と副業の赤字を相殺すると、本業の会社が把握している所得税額と実際の所得税額に差が生じ、住民税額から副業が発覚する可能性があります

ふるさと納税や寄付金控除を活用する

 副業の所得区分にかかわらず、ふるさと納税による寄付金控除も節税に有効です。 

  • 寄付金から2,000円を引いた金額が、所得税と住民税から控除されます。
  • 副業の所得が雑所得で少額であっても利用でき、確定申告で寄付金控除の欄に記入すれば控除を受けられます。

税理士に相談する

 副業の所得が大きくなり、税務処理が複雑になってきた場合は、税理士に相談するのも有効な選択肢です。 

  • 経費計上の範囲や利用できる特例について専門的なアドバイスがもらえます。
  • 正確な申告・納税ができるため、追徴課税のリスクを避けられます。