太陽光発電の売電収入は何所得か

 最近では、太陽光発電装置があちらこちらに設置してあります。国も再生可能エネルギーとして推進しており、皆さんの電気料に「再エネ賦課金」として、2024年度(2024年5月分から2025年4月分)は、1kWhあたり3.49円上乗せされています。

 太陽光発電は10kWを境に住宅用と産業用に区分され、発電した電力の買取価格や買取期間が異なります。10kW未満が住宅用、10kW以上が産業用です。

 住宅用か産業用かで確定申告の要否が決まるわけではありませんが、売電収入が少ない住宅用は雑所得に該当するので確定申告が不要になるケースが多く、発電量が多い産業用は事業所得として確定申告が必要になるケースが多くなります。

雑所得に該当する場合

 住宅用太陽光は発電量が10kW未満で、産業用に比べて買取価格が高いものの、発電量が少なく売電収入はそれほど大きな額にはなりません。所得区分は雑所得になります。

 サラリーマンの方は、売電所得やその他の副業等による所得の合計額が20万円以下であれば確定申告は不要です。

 ただし、事業所得のある方は、住宅用太陽光の売電収入が20万円以下であっても、確定申告が必要になります。

事業所得に該当する場合

 発電量が10kW以上の産業用太陽光発電は、一般家庭の屋根では狭いため、他の施設や土地に設置されています。

 発電量が50KW以上の場合は事業所得に該当しますが、10KW〜50KWについては、雑所得になるケースも多く、フェンスを設置するなど一定の管理を行ったりしている場合、事業所得とみなされます。

 事業所得に該当すれば、青色申告特別控除が適用できるなど節税効果もあります。

 

不動産所得に該当する場合

 太陽光発電を賃貸住宅のエレベーターや、廊下の照明といった共用設備の電力を賄う用途にも使用している場合は、不動産所得に該当します。余剰売電の収入は不動産事業に付随する収入とみなされるためです。

減価償却費

 太陽光発電システムの法定耐用年数は17年とされています。定額法の償却率は0.059です。

 家庭用の太陽光発電は、昔と比べて売電価格が安くなっており、売電収入だけでは儲からないようです。ただ、通常の電気料金が高くなっているので、太陽光発電の電気を優先的に自宅用で使うことによって電気料金を抑えたいという方も増えているようです。

 新聞報道で、よく太陽光設備の銅線ケーブルの盗難がありますが、この場合の経理処理としては、被害設備の未償却残高分を雑損失として経費に計上することになります。300万円で設置したから300万円の損、というわけにはいきません。設備は日々劣化していくものです。また、新しくケーブルを設置したら、減価償却資産として数年にわたって償却していくことになります。

 事業所得か雑所得か、その判断は、太陽光発電の設置状況、管理方法等を考慮する必要がありますので、ご不明点があれば、税理士までお問い合わせください。