所得税及び消費税調査等の状況
令和6年11月に国税庁から「令和5事務年度における所得税及び消費税調査等の状況」が発表されました。この発表の内容をみると、所得税の調査では約50%が間違いを指摘され、平均224万円を、消費税の調査では約65%が間違いを指摘され、平均135万円を追徴されています。
重点調査の対象者
通常の調査のほか、以下の6つを重点調査の対象者として、積極的に調査を実施しているようです。
- 富裕層
- 有価証券・不動産等の大口所有者、経常的な所得が特に⾼額な個人、海外投資等を積極的に⾏っている個人など、「富裕層」に対して、資産運⽤の多様化・国際化が進んでいることを念頭に積極的に調査を実施。
- 海外投資等
- 海外投資者や海外資産保有者に対して、国外送⾦等調書、国外財産調書、租税条約等に基づく情報交換制度のほか、CRS情報などを効果的に活⽤し、積極的に調査を実施
- インターネット取引
- シェアリングエコノミー等新分野の経済活動に係る取引や暗号資産(仮想通貨)等の取引を⾏っている個人に対して、資料情報の収集・分析に努め、積極的に調査
- 無申告
- ⾃発的に適正な納税をしている納税者に強い不公平感をもたらすこととなるため、更なる資料情報の収集及び活⽤を図るなどして、積極的に調査を実施
- 消費税の還付申告
- 申告書の添付書類や保有する資料情報等に基づき厳格な審査を⾏い、申告内容に疑義がある場合には、還付を保留し、実地調査等を⾏うなどして還付原因等の解明・確認を実施
- 所得税の不正還付
- 国庫⾦の詐取ともいえる悪質性が⾼い⾏為であるため、警察当局との連携も強め、悪質な不正還付申告書の提出が確認され、詐欺罪等に該当すると判断した場合には、必要に応じて刑事責任追及のための対応を⾏う
申告漏れの多い上位 10 業種
調査の結果、申告漏れの多い上位 10 業種は以下のとおりです。
- 経営コンサルタント
- ホステス・ホスト
- コンテンツ配信
- くず金卸売業
- ブリーダー
- 焼き鳥
- 太陽光発電
- 内科医
- スナック
- 西洋料理
詳細については次の「国税庁HPの関連資料はこちら」からご覧ください。
令和5事務年度における所得税及び消費税調査等の状況について概要を説明しました。令和6事務年度以降では、インボイスが導入されたことから、消費税申告の誤りがないか重点的に調査があるものと思われます。
国税庁では、所得税については11月に、相続税については12月に調査の状況を発表しています。今後も随時アップしていきますので、参考にしていただければありがたいです。