副業がある場合、事業所得か、それとも雑所得か

 サラリーマンの方で、本業のほかにフリマやアフィリエイト、動画投稿、ライブ配信などの副業収入がある場合、申告はどのようにしたらいいのでしょうか。

事業所得に該当する場合

 一般的に、営利を目的として継続的に行っているもので、帳簿書類の保存がある場合は、おおむね事業所得となります。帳簿書類の保存がない場合でも、収入金額が300万超でかつ営利を目的として継続的に行っていれば事業所得と判断されます。

 ただ、帳簿書類の保存があっても、収入金額が例年300万以下で、主な収入の10%未満の場合は「所得が僅少」と判断され、事業所得と認められない場合があります。

 事業所得となると、赤字になった場合はほかの所得と通算することができ、それでもマイナスの場合は、青色申告に限って損失を3年間繰り越すことができます。また、青色申告の場合は、青色申告特別控除(10万円、55万円、65万円)が適用できるので節税になります。

雑所得に該当する場合

 帳簿書類の保存がない場合は、原則として雑所得となります。ただし、収入金額が300万超でかつ営利を目的として継続的に行っていれば事業所得と判断されます。

 また、その所得が例年赤字で、かつ赤字を解消するための取組(収入を増加させる、あるいは所得を黒字にするための営業活動等)を実施していない場合は、営利性が認められないので、雑所得になります。

 雑所得で申告となると、サラリーマンの場合、副業の収入から必要経費を引いた金額が20万円を超えるか、その他の理由(医療費控除の適用を受ける、初年度の住宅ローン控除の申告をするなど)で所得税の確定申告をする場合、申告が必要になります。副業が赤字の場合は、ほかの所得と通算することはできません。 

暗号資産の譲渡の場合

 収入金額が300万超の場合、帳簿書類の保存があれば原則として事業所得になりますが、帳簿書類の保存がない場合、または収入金額が300万以下の場合は、雑所得となります。

 事業所得か雑所得の判定は、営利を目的として継続的に行っているか、帳簿書類の保存があるかによります。どちらに該当するかは確定申告する際に自分で判断していただくことになります。

 確定申告後、問題点や不明点があれば、税務署から文書や電話により連絡があります。ただ、調査の期間は過去3~5年間ですので、申告してしばらくの間、何も連絡がなかったからと言って安心してはいけません。

 また、税務署では重点調査としてインターネット取引に注目しています。帳簿書類を作成されていない方は、この機会に帳簿を作成し、後日、税務署から連絡があったら、計算の結果を回答してください。もちろん申告の義務のある方は、確定申告を忘れずにお願いします。